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1.高脂血症

Point
高脂血症治療における食事療法は段階的に進める。第1段階では総摂取エネルギー、栄養素配分およびコレステロール摂取量を適正化する効果の判定には体重のモニターが重要である。
第1段階の食事療法で血清脂質が目標値に達しない場合には病型別の食事療法を考慮する。

(1)高脂血症改善のための食行動10箇条
  1.1日3食の配分をほぼ均等とし、規則的に食べる。
  2.腹8分目を守る。
  3.『早食い、ながら食い、まとめ食い』を避ける。
  4.食物繊維を先に食べる。
  5.よくかんで食べる。
  6.周りに食べ物をおかず、食環境のけじめをつける。
  7.好きなものでも1人前までとして、適正量を守る。
  8.就寝前の2時間は重いものを食べない。
  9.食器を小ぶりにする。
  10.外食では丼ものより定食を選ぶ。

第1段階(総摂取エネルギー、栄養素配分およびコレステロール摂取の適正化)
  1.総摂取エネルギーの適正化
   適正エネルギー摂取量=適正体重×25~30(kcal)  ※適正体重=身長(m)×身長(m)×22

  2.栄養素配分の適正化
   炭水化物:60%
   タンパク:15~20%(獣鳥肉より魚肉、大豆タンパクを多くする。)
   脂 肪 :20~25%(獣鳥性脂肪を少なくし、植物性・魚類性脂肪を多くする。)
   コレステロール :1日300mg以下。
   食物繊維:25g以上
   アルコール :25g以下(ほかの合併症を考慮して指導する。)
   その他 :ビタミン(C,E,B6,B12,葉酸など)やポリフェノールの含量が多い野菜、果物などの食品を多くとる(ただし、果物は嘆糖類の含量が多いので摂取量は1日80~100kcal以内が望ましい)

→第1段階で血清脂質が目標値とならない場合は第2段階へ進む。


第2段階(病型別食事療法と適正な脂肪酸摂取)
  1.高LDL-C血症(高コレステロール血症)が持続する場合
   脂質制限の強化:脂肪由来エネルギーを総摂取エネルギーの20%以下   コレステロール摂取量の制限:1日200mg以下
   飽和脂肪酸/1価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸の摂取比率:3/4/3程度
  
  2.高トリグリセリド血症(高中性脂肪血症)が持続する場合
   アルコール:禁酒
   炭水化物の制限:炭水化物由来エネルギーを総摂取エネルギーの50%以下
   単糖類:可能な限り制限。できれば1日80~100kcal以内の果物を除き調味料のみでの使用とする。

  3.高コレステロール血症と高トリグリセリド血症がともに持続する場合
   1.と2.で示した食事療法を併用する。

  4.高カイロミクロン血症の場合
   脂肪の制限:15%以下


(日本動脈硬化学会編「動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年度版」より) 


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